セコマのG7、今まで馬鹿にしていてシャルドネしか飲んでいませんでした。ますぢさんの動画を見て、カベルネを飲んでみたら目からうろこでした。今まで飲んだ低価格チリカベで最もうまい! 赤ワインの官能的な面を全て持っており、かつ出過ぎず癖は無く美点多しです。高級ワインの味はしませんが、代用はできるレベルです。
高いお金を出さずにボルドー気分の赤となれば、コレ一本で十分かもしれないと思いました。
私にとって最後にたどりついたギターです。
パシフィカほど熱狂的なファンとアンチにはっきり二分されるギターはないと思います。
客観的事実として言えるのは普及価格でありながら楽器として高い精度を持っており、YAMAHAという総合楽器メーカーの底力を感じる部分です。
まず音程が正確。私のギターが611の固定ブリッジモデルということもありますが、チューニングが狂いにくく、フレット音痴もないので和音の響きに濁りがありません。
ネックは非常に剛性感が高く、お天気でふにゃふにゃ反ってしまうような現象は皆無。いつでも安心して弾けるのです。
音色については定番であるセイモアダンカンのピックアップと出来の良いボディ&ネックの組み合わせなのでデットポイントがないというか、音が吸収されて引っ込んでしまうポジションがないんですね。低音から高音まで澄んだ音色がしっかりした輪郭で響き、サスティン豊かに伸びる。この音色なら申し分ないです。我が家のストラトやムスタングを弾いた後に、音や響きに曇りが無くコードが深くクリアに響く違いを感じます。
リアはダンカンのcustum5ですが、カバードハムバッカーとは思えないほどブライトな高音が出ます。ただ、歪ませるとちょっとブーミーに音が潰れがちに感じます。フロントのP-90はキレとふくよかさを兼ね備えた素敵な音色ですが、これもクリーントーン向きかとは思います。
ボディの仕上げはきれいだし、メイドインインドネシアということもありますが、それでも6万円代というのは信じられません。
値段なりだなと感じる部分は、フレット端の処理。ちゃんと磨いてないので角が鋭く尖っていました。ダイヤモンドやすり使って自分で何度も角を削り、なんとか解消しました。
それと、ネット幅が狭すぎることと指板がフラットすぎることが相まって、ローポジションが弾きにくい。これは弾く人間との相性の問題とは思いますが、42mm幅ナットやフェンダー系の指板アールに慣れてしまった私は、押さえた指の爪が隣に弦に触ってしまうのですよ。
このギターにたどり着く前に、ふたつほどギターを買いました。本当はPRScustum24-SEで完結するはずだったのです。廉価版でも流石はPRSだと思ったのはフレット仕上げの丁寧さ。パシフィカのペンチでぶった切ったような仕上げではなく、角は丸められフレットのトップもツルツルに磨かれ、明らかに値段よりワンランク上の仕上げでした。
が、買って間もなく、寒い陽気になってきたとたんに激しい逆反りでまともな音が出なくなりました。トラスロッドを回してもお天気次第で順反りと逆反りを繰り返します。一時は棄てようかと思うほど酷かったのですが、リペアショップで調整していただき、さらにトラスロッドはほんのちょっとずつ回すという調整技を覚えたら次第に問題なくなってきました。
でも、一度失った信頼は回復させることは難しく、あまり手にすることが無いギターになってしまいました。とはいえ、オーバードライブさせた音色の扱いやすさはパシフィカより上だし、25インチスケールネックの弾きやすさとか、フロントピックアップのクリーントーンの艶っぽさとか良さはあります。
もうひとつ、アリアプロのPE-480は太くてがっしりしたネックの安心感とか良かったし、軽量ボディやネックジョイントのヒールレスカット等魅力はあったのですが、明らかにパシフィカやPRSより「格下」なギターでした。チューニング狂いも若干あり、音色は無理に軽量化したボディのせいかヘッド落ち&こもった軽い音色でした。ぱっと見にはきれいに見えても実は露骨な安っぽさがあり、それなりにがんばっているギターではあったものの結局手放しました。
8万円代半ばのPRS-SEと6万円代半ばのパシフィカでは、フレット仕上げ以外にレベルの差がほとんど感じられませんでしたが、4万円代半ばのPE-480は明らかに「違うレベル」のギターだと感じました。それは「コスパの良いギター」と「単なる安物」の違いかと思います。